世界経済が成長を続ける中、日本だけが30年間も年収が横ばい、あるいは低下している現状があります。これは自然現象ではありません。明確な「政策の失敗」による人災です。
今回は感情論や政治的な左右を排除し、内閣府や厚生労働省が公表している「客観的な経済指標(データ)」を基準に、日本を貧しくした歴代総理大臣をランキング形式で検証します。
以下のグラフは、モノの値段が上がった分も計算に入れた、日本人の「本当の年収(実質賃金)」の変化です。
【金額で見る】日本人の平均年収推移
(物価変動を考慮した実質ベース購買力換算)
データ出典(政府統計):
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査」
- 総務省統計局「消費者物価指数」
- ※上記等を基にした実質購買力の概算推移。
2024-2025年は直近トレンドに基づく推計値を含む。
📉 失われた金額:約 39万円
1997年のピーク(467万円)と比べ、現在の私たちの購買力は約39万円も低下しています。
これは「物価が上がったのに給料が追いついていない」ためであり、実質的に毎年ボーナスが1回分消滅しているのと同じ状態です。
グラフの通り、1997年を頂点として、私たちの資産は減り続けています。日本はなぜこんな「下り坂」になってしまったのか?
次章から、データを基にしたワーストランキングで検証します。

マニフェストを破り、日本産業に「空洞化」させた
鳩山、菅と続いた民主党政権の混乱があり、その「経済失策のトドメ」を刺したのが野田政権でした。
当時の経営者が今でもトラウマのように語るのが、歴史的な円高です。 東日本大震災からの復興が必要な時期に、政府と日銀は有効な手立てを打たず、1ドル=75円32銭という最高値を更新させ続けました。
【推移】民主党政権下の「超円高」地獄
(米ドル/円 月間平均レートの推移)
☠️ 1ドル70円台=輸出企業の「死刑宣告」
グラフが下に行くほど「円高」です。
野田政権下(2011年)で記録した75円32銭は、トヨタなどの輸出企業が「国内ではもう作れない」と悲鳴を上げた限界ラインでした。
【ここがダメだった】
輸出企業にとって、1ドル70円台は「死刑宣告」です。どれだけ良い製品を作っても、為替のせいで海外で売れば大赤字になるからです。
トヨタ自動車の豊田章男社長(当時)が「もはや企業努力でカバーできる範囲を超えている」 「国内のモノづくりが崩壊しかねない」と悲痛な叫びを上げたのもこの時期です。
【空洞化】製造業の「海外生産比率」推移
(国内製造業が海外で生産する割合)
データ出典:
内閣府「企業行動に関するアンケート調査」🏭 工場は二度と戻らない
赤枠の期間(民主党政権・超円高)に、企業が雪崩を打って海外へ脱出しました。
重要なのはその後です。アベノミクスで円安になっても、グラフは下がっていません。失われた雇用は、永久に失われたままなのです。
円高に耐えきれなくなった日本企業は、生き残るために「脱出」を選びました。工場を閉鎖し、生産拠点を中国や東南アジアへ移したのです。
上のグラフを見てください。この時期に「海外生産比率」が急上昇しています。 恐ろしいのは、一度海外に出た工場は、円安になっても簡単には戻ってこないということです。この時失われた国内の雇用と技術は、二度と帰ってきませんでした。
経済が瀕死の状態であるにもかかわらず、野田総理が政治生命をかけたのは「景気対策」ではなく「増税」でした。
「シロアリ(天下り等の無駄)を退治するまでは増税しない」というマニフェストを破り、自民・公明と「三党合意」を締結しました。
これが現在の消費税10%へのレールを敷き、国民の財布を締め付ける決定的な転換点となりました。
このランキングで野田佳彦を選んだ理由は明確です。
- 円高放置で、給料が高い「製造業」を海外へ追い出した。
- 代わりに日本を「給料が安いサービス業ばかりの国」に変えてしまった。
- さらに「増税」を決めて、将来の私たちの購買力まで奪った。
直接給料を下げたわけではありません。しかし、日本人が豊かになるための「給料が上がるハシゴ」を外して捨ててしまったのが野田政権なのです。

アクセルとブレーキを同時に踏み、「消費」を殺した
「アベノミクスで景気は良くなった」 そう思っている人は多いかもしれません。確かに株価は上がりました。しかし、あなたの「生活レベル」はどうなりましたか?
データで見ると、安倍政権は「企業(株主)」を大儲けさせた一方で、「国民(家計)」を冷え込ませた時代だったことが分かります。
安倍総理は、世の中にお金を流して景気を良くしようとしました(=アクセル)。 でもその一方で、消費税を2回も上げる(5%→8%→10%)という強力なブレーキもかけてしまったのです。
特に、2014年に8%へ上げたタイミングは、取り返しのつかないミスでした。 以下のグラフを見てください。ブレーキを踏んだ瞬間、みんなが買い物をやめてしまい、消費が崖から落ちるように激減しているのが分かります。
【金額で見る】破壊された消費と増税の衝撃
(1世帯あたりの実質年間消費額・推移)
💸 年間 約33万円も「買えるもの」が減った
アベノミクス初期(2013年)には年間約352万円あった消費が、2度の増税と物価高で激減しました。
現在は約319万円相当にまで落ち込み、年間33万円(月2.7万円)も貧しくなっているのが現実です。
「企業が儲かれば、いずれ給料も上がる(トリクルダウン)」 安倍総理はそう言いましたが、データはその嘘を暴いています。
【実録】企業は「過去最高益」国民は「貧困化」
(実質年収と法人企業統計による経常利益の推移)
📊 データが示す「トリクルダウンの嘘」
青い線(企業の利益)は、アベノミクスで48兆円から84兆円へと約1.7倍に急増しました。
しかし赤い線(私たちの実質年収)は下がり続けています。儲かったお金は、働く人には還元されず、企業の内部や株主に消えたことがデータから証明されています。
- 企業の内部留保(貯金): 過去最高を更新し続け、お金が余りまくった。
- 実質賃金: ほとんど上がらず、むしろマイナスの年も多かった。
結局、アベノミクスで増えた富は、働く人には回ってきませんでした。企業がため込んだお金は、設備投資や賃上げではなく、自社株買いや配当(株主への還元)に消えたのです。
安倍総理は「デフレからの脱却」を掲げていました。 しかし、デフレ(モノが売れずに安くなる現象)を脱却したいなら、一番やってはいけないのが「消費税の増税」です。
「デフレ脱却と言いながら、デフレを加速させる増税をする」 このチグハグな政策が、日本経済のエンジンを完全に故障させました。
このランキングで安倍晋三を選んだ理由は明確です。
- 金融緩和で「株価」は吊り上げたが、その利益は企業と株主だけのものになった。
- 働く人への分配(トリクルダウン)が起きる前に、「消費増税」を2回も断行した。
- その結果、せっかくの賃上げ効果が税金の支払いに消えてしまった。
安倍晋三は「給料を上げる」と約束しました。 しかし実際は、わずかに増えた給料を、右から左へ「増税」という掃除機ですべて吸い取ってしまったのが安倍政権なのです。
📝 生活防衛のための補足情報(制度活用)
消費税10%をはじめとする国民負担の増加に対抗するには、もはや「節約」だけでは追いつきません。
国の制度である「ふるさと納税」による住民税控除や、経済圏(楽天等)のポイント還元を徹底的に活用しましょう。

「正社員」をぶっ壊し、日本を「非正規大国」に変えた
「自民党をぶっ壊す」 その言葉に国民は熱狂しましたが、実際にぶっ壊したのは「日本人の雇用(安定した生活)」でした。
「聖域なき構造改革」の正体は、守られていた正社員を減らし、「安くて使い捨てできる労働者(非正規)」に置き換えることだったのです。
最大の罪は、2004年の法律改正で「工場での派遣労働(製造業派遣)」を解禁したことです。
それまで、日本のモノづくり現場(トヨタやホンダなど)は、正社員が支えていました。
しかし小泉政権は、「企業がもっと自由に人を雇えるように」と、このルールを撤廃しました。 その結果、企業は正社員をリストラし、「景気が悪くなったらすぐ切れる派遣社員」へと一気に入れ替えました。
以下のグラフを見てください。 小泉政権の5年間で「非正規雇用」が急増しているのが分かります。
【実録】正社員を減らし、非正規に置き換えた
(雇用形態別 雇用者数の推移・万人)
📉 200万人以上の「正社員」が消滅
グラフを見てください。小泉政権(網掛け部分)の期間に、青い線(正社員)が坂を転げ落ちるように減っています。
逆に赤い線(非正規)は急上昇しています。単に働き方が変わったのではなく、「高い正社員をクビにして、安い非正規に入れ替えた」ことが数字で証明されています。
「働き方が多様になっただけ」と擁護する声もありますが、正社員と非正規社員の生涯賃金には、1億円以上の格差があると言われています。
【実録】非正規は「死ぬまで横ばい」
(雇用形態別の年齢別推定年収・2023年)
⚠️ 生涯賃金で「1億円以上」の差
正社員(青)は50代に向けて給料が上がりますが、非正規(赤)はずっと300万円前後で横ばいです。
一度「非正規コース」に入ると、どれだけ長く働いても生活が楽にならない。これが小泉政権の作った「現代の身分制度」です。
- 正社員: ボーナスあり、昇給あり、退職金あり
- 非正規: ボーナスなし、昇給ほぼなし、退職金なし
日本の中に「身分制度」を作り、国民の3人に1人を「低賃金コース」に固定してしまった。これで日本全体の平均年収が上がるはずがありません。
- 法律を変えて、「正社員」を「非正規」に置き換えやすくした。
- その結果、日本全体で「低賃金で働く人の割合」が激増した。
- 高い給料の人が減り、安い給料の人が増えれば、当然平均賃金は下がり続ける。
小泉純一郎は給料を下げたのではありません。 「一度落ちたら這い上がれない穴」を日本社会に掘ったのが小泉政権なのです。

「新しい資本主義」という嘘で、過去最悪の「26ヶ月連続マイナス」を記録した
「聞く力」をアピールしていた岸田総理。しかし、彼が国民の悲鳴を聞き入れることはありませんでした。
彼が成し遂げたのは、リーマンショック時さえ超える「過去最長の実質賃金マイナス(26ヶ月連続)」という歴史的な貧困化レコードです。
岸田政権下で起きたことはシンプルです。「物価の上昇」に対して、政府が無策すぎたのです。
以下のグラフを見てください。 これは岸田政権下での「実質賃金」の変化です。
見渡す限り「赤(マイナス)」が続いています。 2年以上もの間、私たちは毎月のように「先月より貧乏になった」と思いながら生活させられていたのです。
【金額で見る】毎月「サイレント減給」されていた
(実質賃金の目減り額・月収33万円換算)
💸 2年間で「約20万円」が消滅
グラフの赤い棒は、物価高によって「給料の価値」がどれだけ減ったかを示しています。
月によっては1万3000円以上も勝手に減給されたのと同じ状態です。26ヶ月の合計では、約20万円分の購買力が岸田政権下で奪われました。
【ここがダメだった】
世界中でモノの値段が上がる中、他の国は「税金を下げる」や「現金を配る」といった方法で、すぐに国民を助けました。
しかし岸田政権は、何もしませんでした。 日本には、ガソリン代が高騰した時に税金を下げて安くする「緊急スイッチ(トリガー条項)」という決まりがあります。
みんなが「今すぐスイッチを押してくれ!」と叫んでいるのに、岸田総理は「検討します(考えとくね)」と言うだけで、結局スイッチを押しませんでした。
物価が上がって苦しいのに、対策をせずに「見て見ぬふり(放置)」をした。 その結果が、この真っ赤なグラフ(国民の貧困化)なのです。
「給料が増えても、手取りが増えない」 そう感じたことはありませんか? 犯人は、岸田政権下で高止まりした「国民負担率(税金+社会保険料)」です。
ステルス増税(社会保険料の引き上げ)などにより、私たちが稼いだお金の約45%〜47%は、国に持っていかれる状態が定着しました。 「稼ぐ力の半分を国に没収される」 この異常な状態を放置したまま、さらに「防衛増税」や「少子化支援金(実質増税)」の話を進めたのです。
【実録】稼ぎの半分が国に消える時代
(国民負担率:租税負担+社会保障負担の割合)
⚠️ 「五公五民」の衝撃
昭和の頃は30%台でしたが、現在は40%後半(約45〜48%)で高止まりしています。
江戸時代の激しい年貢の取り立てを表す「五公五民(5割持っていかれる)」とほぼ同じ状態が、岸田政権下で完成してしまいました。
岸田総理は「過去最高の賃上げを実現した」と自慢していました。 しかし、これは政府の手柄ではなく、「物価が高すぎて社員が辞めてしまうから、企業が仕方なく上げた」のが実態です。
【完全版】賃上げは「物価」と「税」で消えた
(月収33万円の場合の収支変化)
データ出典:
厚労省「毎月勤労統計」、総務省「CPI」、雇用保険料率改定などを基に試算 ※税・社保は賃上げに伴う自然増+雇用保険料率UP分を加算👿 隠れ増税(紫)がトドメを刺す
赤い棒(物価)だけでも青い棒(賃上げ)を上回っていますが、さらに「税・社会保険料の増加(紫)」が乗っかります。
特に2022年10月や2023年4月の雇用保険料アップ(ステルス増税)が効いており、私たちの手取りを確実に削り取っているのが分かります。
政府がやったことではありません。それどころか、せっかく企業が上げた賃金を、インフレと社会保険料がすべて食い尽くしてしまったのが岸田政権の3年間でした。
- 物価高に対して有効な手を打たず、「26ヶ月連続」で国民を貧しくさせた。
- 給料が上がらない中、社会保険料などの「負担」を高止まりさせた。
- 「減税」という最も効果的な武器を使わず、最後まで財務省の方を向いて政治をした。
岸田文雄は何か悪いことをしたというより、「国民が苦しんでいる時に、助けずに見捨てた」という罪で、第2位にランクインです。
💡 インフレ時代の「自己防衛」について
岸田政権下での円安進行により、日本円の価値は目減りを続けています。
これからの時代、資産を「貯金」だけで持つのではなく、少しずつ分散させて守ることが、生活水準を維持するカギになります。

日本経済の「頂点」を破壊し、デフレ地獄の扉を開けた
「昔の日本は、毎年給料が上がっていたんだよ」 親世代からそんな話を聞いたことがありませんか? それはファンタジーではありません。
1997年まで、日本人の給料は右肩上がりでした。 その成長を強制ストップさせ、日本を「貧しい国」へと転落させたのが橋本龍太郎総理です。
1997年(平成9年)、橋本総理はとんでもないことを行いました。 景気が回復しかけていたタイミングで、消費税を3%から5%に増税したのです。
それだけではありません。
- 消費税増税(3%→5%)
- 医療費の自己負担アップ(1割→2割)
- 特別減税の打ち切り
これらを同時に行い、国民から合計9兆円ものお金を奪い取りました。 これを機に、日本の景気は「心肺停止」状態に陥り、今の今まで続くデフレ(不景気)が始まったのです。
【金額で見る】毎年「16兆円」の成長が消えた
(日本の名目GDP実額の推移・兆円)
📉 「成長」が「減少」に変わった日
増税前の1996年には、前年より「16兆円」も国の稼ぎが増えていました。
しかし1997年の負担増で成長はストップしました。翌1998年には逆に減少へ転じました。「毎年給料が上がる時代」は、この瞬間に強制終了させられたのです。
以下のグラフを見てください。これが「日本人の平均年収」の推移です。
グラフを見ると、1997年を頂点(ピーク)にして、崖を転がり落ちるように下がっているのが分かりますか? 橋本総理が増税をしたその年が、日本人が一番豊かだった最後の年になりました。
【決定的証拠】1997年が「頂点」だった
(民間給与実態統計調査による平均給与の推移)
📉 「失われた30年」の始まり
グラフの頂点を見てください。橋本内閣が消費増税(3%→5%)を行った1997年の「467万円」が、日本経済のピークでした。
その後、長い坂道を転げ落ち、30年近く経った今でも、実質的な価値でこの頂点を超えられていません。
【ここがダメだった】
もし橋本龍太郎がこの時、増税を我慢していれば、日本の給料は今ごろ600万円、700万円になっていたかもしれません。 「財政再建(国の借金返済)」を急ぐあまり、「経済成長」というエンジンそのものを破壊してしまった。
この判断ミスが、私たちの世代まで続く「給料が上がらない30年」を作ったのです。
2位以下の政治家たちは、悪化した経済の中で失策を重ねたに過ぎません。 しかし、橋本龍太郎は違います。順調だった日本経済を、自らの手で殺したのです。
- 1997年の増税でデフレの引き金を引いた。
- その結果、日本人の年収はこの年をピークに下がり続けた。
- 現在の「消費税10%」に至る増税路線のレールを敷いた。
今の生活の苦しさの根源をたどると、すべては1997年のあの日に行き着きます。文句なしの第1位です。
ここまで見てきた通り、私たちの生活が苦しいのは、決して「運が悪かったから」でも「世界中がそうだから」でもありません。 明確な「政治の失敗」があったからです。
データは嘘をつきません。 1997年の増税で成長を止めたのも、円高を放置して工場を追い出したのも、物価高なのに増税路線を突き進んだのも、すべて「無能な政策」なためです。
「政治なんて誰がやっても同じ」 そう思わされていることこそが、彼らの思うツボかもしれません。
誰が経済を壊したのか。どのタイミングで間違ったのか。 この「ファクト(事実)」を知ることが、私たちがこれ以上貧しくならないための、最強の防御策になります。
雰囲気や言葉だけの公約に騙されないように気をつけましょう。
📖 本記事の参考文献・関連書籍
政治や経済のデータを見てきましたが、私たち個人ができる最大の防衛策は「働き方のOS」をアップデートすることです。
かつての日本企業で常識だった「我慢して尽くせば報われる」というルールは、経済の停滞とともに崩れました。
本書『転職2.0』は、転職を推奨するというよりも、「自分の市場価値をどう客観視し、キャリアの主導権を組織から自分へ取り戻すか」について、冷静に解説されています。
これからの日本社会を生き抜くための「視点」を得る一冊として紹介します。







