2026年ミラノ・コルティナ五輪の舞台へ、日本代表として返り咲いたフォルティウス。!
かつての絶対女王ロコ・ソラーレを破り、私たちが目にするのは「笑顔」の先にある「静かなる精密機械」の姿です。
ロコ・ソラーレが「攻撃的でトリッキーなショット」で魅せるなら、フォルティウスは「基本に忠実で、相手に隙を見せない精密な形」を徹底するチームです。
彼女たちの強さの正体とは何か? 勝利のカギを握る「戦術用語」と「チームカラー」の両面から徹底解説します。
▼ 【選手紹介】フォルティウス メンバープロフィール(タップで開く)
2026年ミラノ五輪を戦う、個性豊かなメンバーたち。
それぞれの「役割」を知ると、試合がもっと面白くなります。
吉村 紗也香 (スキップ)
「不屈の精密機械」
チームの勝敗を背負う絶対的エース。感情を表に出さず、ミリ単位のドローショットを決める精神力は世界屈指。
小野寺 佳歩 (サード)
「二刀流のスイーパー」
陸上競技出身のパワフルなスイープが武器。吉村選手のショットを物理的に伸ばし、曲げる最強のサポーター。
小谷 優奈 (セカンド)
「新生フォルティウスのエンジン」
2022年加入の若き実力者。高いショット成功率と強力なスイープで、五輪へのラストピースとなりました。
近江谷 杏菜 (リード)
「戦略の頭脳」
五輪経験豊富なベテラン。正確なアイス・リーディングでチームをコントロールする司令塔的なリード。
小林 未奈 (フィフス)
「万能のオールラウンダー」
どのポジションもこなせる高い技術を持ち、不測の事態に備える頼れる存在。
船山 弓枝 (コーチ)
「伝説の守護神」
過去3度の五輪出場を誇るレジェンド。ベンチからの指示と精神的支柱としてチームを支えます。
💡 観戦トリビア:ユニフォームの「あのロゴ」
激しいスイープをする選手の足元に注目してください。「タマガワエーザイ」というロゴが見えます。 実はこれ、ドラッグストアでよく見かけるマスク「Fitty(フィッティ)」のメーカーなんです。
フォルティウスの高度な戦術を理解する前に、まずは試合中に飛び交う「基本の言葉」を押さえておきましょう。
これを知っているだけで、彼女たちの凄さがよりクリアに見えてきます。

選手たちがブラシで氷をこする(スイープ)のは、摩擦熱で氷を溶かし、石を「より遠くへ」「曲がりすぎないように」コントロールするためです。
スキップ(司令塔)は叫び声で指示を出しています。
| 掛け声 | 意味 | どんな時に使う? |
|---|---|---|
|
イエス! (ヤー!/掃いて!) |
全力でこすれ! |
・石が届かなそうな時 ・石を曲げたくない時 |
|
ウォー! (ノー!/やめて!) |
こするな! |
・勢いが十分な時 ・石をもっと曲げたい時 |
| クリーン! | ゴミだけ取って |
・石の軌道を安定させたい時 (軽く掃いて霜やゴミを除く) |

| ショット名 | 意味・役割 |
|---|---|
| ドロー |
ハウス(円)の中の狙った場所に石を止めること。 ※フォルティウスが最も得意とするショットです。 |
| テイクアウト | 相手の石に強く当てて、ハウスから弾き出すこと。 |
| ガード | ハウスの手前に置いて、奥にある自分たちの石を守る「壁」となる石のこと。 |

| 用語 | 意味・解説 |
|---|---|
|
ハンマー (後攻) |
そのエンドの最後に石を投げられる権利。 カーリングでは後攻が圧倒的に有利で、いかにハンマーを持っている時に複数得点するかが勝負の鍵です。 |
| スチール |
先攻のチームが得点すること。 「盗む」という意味で、不利な先攻で点を取るビッグプレーです。 |
| コンシード |
「参りました(投了)」と負けを認めること。 点差が開き、逆転不可能と判断した場合に行われる、相手への敬意を含んだプロの作法です。 |

フォルティウスの、そして吉村紗也香選手の代名詞とも言えるのがこの技術です。
単に円の中心に石を置く(ドロー)だけでなく、すでに置いてある相手の石の「すぐ手前」に、まるで磁石で吸い寄せられるようにピタッと止める(フリーズ)ショットを指します。
これが決まると、相手は自らの石が邪魔になり、フォルティウスの石を弾き出すことが物理的に不可能になります。吉村選手の「ミリ単位」の精度が、相手の戦術を無力化するのです。

フォルティウスが得意とする鉄壁の布陣です。
ハウス(円)の中に石を置くだけでなく、その手前のガード石とハウス内の石を絶妙な距離感で連動させます。
ロコ・ソラーレが石を激しくぶつけ合う「攻めのカーリング」なら、フォルティウスは相手が中心を狙えないように隙間を埋めていく「守り勝つボックス」のカーリングです。
相手からすれば、攻めどころが見つからない「迷路」に迷い込んだような感覚に陥ります。

カーリングの氷は、室温や選手の体温、石が通った摩擦で刻一刻と変化します。
フォルティウスが勝負所で強いのは、この「氷の変化」を読む力が極めて高いからです。
特にメンバー間での「このラインはさっきより滑る」「ここは曲がりが大きい」という情報のフィードバックが、他チームに比べて圧倒的に緻密です。
この情報共有の精度こそが、終盤の逆転劇を生む「頭脳戦」の土台となっています。

試合の勝敗を決するスキップの最終投です。
追い込まれた極限の状態でも、吉村選手は表情を変えず、淡々と、しかし確実に中心を射抜きます。
感情を露わにせず、ロボットのように正確なショットを放つその姿は、対戦相手にとって最大の脅威になります。
競馬の世界で、終盤に一気に抜き去る馬を「差し馬」と呼びますが、彼女たちもまさにそのスタイルです。
序盤にリードされても決して焦らず、アイス・リーディングを深めながら終盤の9回、10回(エンド)で一気に試合をひっくり返します。この粘り強さがあるからこそ、ファンは最後まで目が離せません。
2024年 日本選手権:衝撃の「最終エンド大逆転」や2025年 12月:五輪最終予選(ノルウェー戦)8大会連続の五輪出場を決めた、まさに歴史的一戦で逆転勝利しています。
フォルティウスは、ベテランから若手まで幅広い層で構成されていますが、氷の上では「年齢」も「キャリア」も一切関係ありません。
一見、厳しい上下関係がありそうですが、実は氷上ではあえて「タメ口」に近いフラットな言葉で意見をぶつけ合います。
遠慮を捨て、本音で氷の状態を伝え合うこのスタイルが、前述の「アイス・リーディング」の精度を極限まで高めているのです。
チームを率いる吉村選手のこれまでの歩みは、決して平坦ではありませんでした。
かつての五輪代表落選、所属チームのスポンサー撤退による消滅の危機……。何度も「もう終わりか」と思われる場面に直面しながら、彼女はその都度、さらに強くなって氷上に戻ってきました。
出産を経て、母となり、不屈の精神で再び五輪の切符を掴んだ彼女の姿は、今のチームの「折れない心」そのものと言えます。
ここまで、フォルティウスの戦術や用語、そしてチームの歴史について解説してきました。
試合観戦中、もしフォルティウスがピンチに陥っても諦めないでください。
- 緻密な「アイス・リーディング」で氷を味方につけ、
- 鉄壁の「フォルティウス・ボックス」で相手を追い詰め、
- 吉村選手の「ラスト・ロック」でひっくり返す。
その「執念の逆転劇」こそが、彼女たちの真骨頂だからです。
氷上のチェスと呼ばれる知的な戦略と、熱い絆が交錯する瞬間。 2026年、イタリア・ミラノの地で「フォルティウス(より強く)」の名が世界に響き渡る瞬間を、私たちも一緒に見届けましょう。
2026年からは「TCL」がオリンピックのトップパートナーになりました。 繊細なドローショットの軌道もくっきり見える4K画質で、なによりGoogle TV搭載(=配信動画が見れる)





