『華麗なる一族』は山崎豊子の長編経済小説で、高度経済成長期の金融再編を背景に、万俵家(まんぴょうけ)の愛憎と野望を描く物語です。
2007年版はTBSで、2021年版はWOWOWでテレビドラマ化されました。どちらも名作ですが、描かれ方が全く異なるため「どっちから見ればいいの?」と迷う方も多いはずです。
この記事では、ドラマの評論ではなく、ネタバレを避けた「徹底比較」を行います。これから見る人が、自分の好みに合わせてどちらを先に見た方がより楽しめるのか、その選び方を提案します。
タイトルは同じ『華麗なる一族』ですが、もっとも大きな違いは主人公(視点)が異なることです。
2007年版の主演は木村拓哉さん、万俵家の長男である「万俵鉄平」を演じています。
夢と理想に燃える鉄平の視点から描かれるため、父・大介との対立構造が「ヒーロー vs 悪役」のように明確になりやすく、感情移入しやすいのが特徴です。
対して2021年版の主演は中井貴一さん、長男の父であり、阪神銀行の頭取である「万俵大介」を演じています。 一族を繁栄させるためなら手段を選ばない冷徹な父の視点から描かれるため、「大人の苦悩」や「組織の論理」が強調されています。
どちらが面白いかは一概には言えません。「息子の情熱」に共感するか、「父の孤独」に共感するかで評価が分かれるポイントです。
万俵家を支配する家庭教師兼執事、そして大介の愛人である「高須相子」です。彼女の描かれ方も、作品の性格を決定づけています。
2007年版の相子は、誰が見ても「悪女」としての華やかさと強さがあります。
真っ赤なルージュや派手な衣装が特徴で、北大路欣也さん演じる大介と並んでも引けを取らない、ギラギラとした野心を感じさせます。
「私がこの家を変えるのよ」という情熱的なエネルギーが画面から溢れています。
対照的に2021年版の相子は、感情を一切見せない「能面」のような怖さがあります。
声のトーンを抑え、淡々と仕事をこなす姿は、愛人というよりも優秀すぎて不気味な秘書(管理者)のようです。
決して声を荒げないからこそ、ふとした瞬間に見せる冷たい視線に、2007年版とは違う種類のゾクッとする恐怖を感じます。

話数は違いますが、実は総時間はそこまで変わりません。
話数は2話違いますが、実際の長さは約1時間(ドラマ1話分)しか変わりません。どちらも週末の一気見に適したボリュームです。
2021年版(661分): 2007年版より約67分(ドラマ1話分強)長いです。そのため、細かい心理描写や原作のエピソードが丁寧に描かれています。
2007年版(594分): 時間は短いですが、地上波(日曜劇場)ならではの「濃密さ」があります。1つ1つのシーンのインパクトが強く、展開がスピーディーです。
(TBS)
(WOWOW)
『Desperado』 (ならず者)
2007年版の華麗なる一族のBGMは、フィルハーモニー管弦楽団を起用しており、映画顔負けのフルオーケストラになります。
BGMが流れているシーンが多く、壮大で情熱的なため感情を揺さぶられる回数は多くなると思います。
おそらく両方の作品を見た後に「華麗なる一族」はどんな曲と聞かれると、2007年版の曲を上げる人が多いと思います。
それほどインパクトがあり印象に残るBGMになっています。
一方、2021年版のBGMはサスペンス要素が強めです。派手さはありませんが、そのシーンのリアリティや緊迫感を高める「重厚な劇伴」に徹しています。
2007年版のチーフディレクターは、後に『半沢直樹』や『VIVANT』を手掛ける福澤克雄(ふくざわ かつお)監督です。
福澤監督の最大の特徴こそが、まさに「顔のアップ(ドアップ)」と「歌舞伎のような感情表現」です。「顔芸」とも呼ばれるほどの迫真の表情を画面いっぱいに映し、汗や涙を強調するのは彼の作家性そのものです。
そのため2007年版の華麗なる一族は見ていると情熱という言葉がしっくりきます。
2007年(鉄平=木村拓哉 主役): 悲劇のヒーローに感情移入させるため、カメラは鉄平に寄ります。
対して2021年(大介=中井貴一 主役): 冷徹な銀行頭取が主役です。彼が支配する「万俵家」というシステム全体を俯瞰(ふかん)する必要があるため、カメラは引き気味で、冷めた視点になります。
万俵家のダイニングルームなどのセットにおいて「左右対称(シンメトリー)」を意識した、息が詰まるような整然とした構図が多用されていて重厚感を生みだしています。
ドラマの評論はしないと言いましたが、ここだけはどうしても「時代の差」が出てしまっている部分です。正直に言えば、スケール感では2007年版が圧倒しています。
神戸の再現
中国・上海に巨大なオープンセットを建設。街並みごと作り込み、エキストラの数も数百人規模と圧倒的。
2021:国内+CG
コロナ禍のため海外ロケ不可。国内の歴史的建造物(愛知県庁など)やグリーンバック合成(VFX)で再現。
とにかく画面が広い。本物の製鉄所や広大な庭園など、物理的なスケールで「財閥の力」を表現。
WOWOW版(2021)は「密度」
画面は狭いが、小道具や衣装、照明が緻密。映画のようなライティングで「室内の重厚感」を表現。
2007年当時は、テレビ局のドラマ制作費が潤沢な時代でした。
正確な金額は公表されていませんが、映画並みの予算が投じられています。
新幹線での移動シーンや、本物の製鉄所、豪華なパーティーシーンなど、画面の隅々までエキストラが配置された映像は圧巻です。
残念ながら2021年版は、コロナ禍での撮影という制約がありました。
人の数や広さではどうしても2007年版に見劣りしてしまいます。
しかし、2021年版はその制約を逆手に取り、「密室劇としての緊張感」を高めることに成功しています。広さで勝負できない分、小道具や照明の密度を上げることで、リッチな画面作りを実現しています。
2007年版は、主人公を大介(父)から鉄平(息子)に変更したことで、ストーリー展開に大幅なアレンジが加えられています。
原作にはない鉄平の活躍シーンや、独自の解釈による人間ドラマが追加されており、小説とはまた違った「日曜劇場版・華麗なる一族」として再構築されています。原作未読の方でも、ヒーローものとして入り込みやすい構成です。
2021年版は、全12話という尺を使っていることもあり、原作小説の構成やセリフ回しに非常に忠実です。
淡々とした金融業界の描写や、昭和の重苦しい空気感、そして主人公・大介の虚無感など、小説が持つ「乾いた読後感」を丁寧に映像化しています。「小説のあのシーンを映像で見たい」という原作ファンには、2021年版がしっくりくるでしょう。
- とにかく感動して泣きたい人 (ラストシーンの涙腺崩壊度は2007年版が圧倒的です)
- 木村拓哉さん演じる「理想のリーダー・鉄平」を見たい人 (悲劇のヒーローとして描かれる情熱的な姿に心を打たれたいならこちら)
- 「半沢直樹」のような熱い演出が好きな人 (顔のアップ、壮大な音楽、豪華なセットなど、日曜劇場の王道エンタメを楽しみたい方)
- 豪華なセットや海外ロケなど、バブル的な映像美を楽しみたい人
- 大人のドロドロとした人間ドラマを楽しみたい人 (直接的な言葉よりも、視線や沈黙で語る心理戦が好きな方)
- 原作小説の世界観をじっくり味わいたい人 (万俵家という組織の不気味さや、中井貴一さん演じる父・大介の虚無感に浸りたいならこちら)
- 落ち着いた映画のような映像美が好きな人 (派手さよりも、映像の構図や美術セットのディテールを楽しみたい方)
どちらから見ても名作であることに変わりはありません。 「情熱の2007年」を見るか、「重厚の2021年」を見るか。今のあなたの気分に合う一本を選んで、万俵家の華麗なる世界に没頭してください。
どちらの『華麗なる一族』も
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