【2026】ミラノオリンピック関連日本株は買いか?過去データが示す「負けパターン」

※本記事は情報の提供を目的としており、投資の勧誘を目的とするものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。

どの銘柄も昔と今で株価の桁が違うため、そのまま比較できません。今回は『開幕日を100』としたパフォーマンスで比較しています。

デサント(8114)から学ぶ:上場廃止はしたが日本代表公式ウェア担当

【参考】上場廃止前のデサント(8114) 五輪期間中の推移
※北京五輪時の「中国市場×赤ダウン」人気は特筆すべき動き
※重要:デサントは2024年に上場廃止済みです(現在は購入不可)

※デサントは2024年に上場廃止済みです(現在は購入不可)。しかし、ここには重要な「投資の教訓」があります。

デサントは2014年ソチオリンピック、2022年北京オリンピックで日本代表公式ウェアを担当しました。

特に2022年北京オリンピックでは、中国のスポーツ最大手「ANTA」と組んで展開した「赤ダウン」がSNSで話題となり、オリンピック期間中に業績上方修正を発表して株価が上昇しました。

しかし、2014年ソチオリンピックの教訓は残酷でした。 前年のアベノミクス相場で株価は2倍に急騰していましたが、いざオリンピック本番で羽生選手が金メダルを取った瞬間、投資家はこう判断したのです。

「よし、想定通り金メダルだ。これ以上のニュースはない。利益確定のために売ろう」

結果、株価は横ばい〜下落しました。

ここから学ぶべきは、「オリンピックの公式ウェア担当だから株価が上がる」という単純なものではないということです。

「オリンピック + 〇〇(中国特需など)」というプラスアルファの要素がなければ、株価は大きく跳ねないです。

では、2026年の公式ウェア担当、アシックス (7936) はどうでしょうか?

アシックス(7936)2026年日本代表公式ウェアを担当

【検証】アシックス(7936) 過去3大会の株価推移
※開幕日を100とした場合のパフォーマンス比較
データ出典:Yahoo!ファイナンスより筆者作成
  • 2014年ソチ: 公式ではありませんでしたが、アベノミクスと円安の追い風で右肩上がり。
  • 2018年平昌(公式ウェア): 期間中に「北米不振」の決算を発表し暴落(アシックス・ショック)です。「公式スポンサーでも本業が悪ければ売られる」という例です。
  • 2022年北京: 決算は良かったものの、世界的な金利上昇懸念(グロース株売り)に巻き込まれました。

アシックス 営業利益の推移と2026年目標

※2024年は会社予想、2026年は中期経営計画の修正目標値

2021年 (実績) 219億円
2022年 (実績) 340億円
2023年 (実績) 542億円
2024年 (会社予想) 1,000億円
2026年 (修正目標) 1,300億円 以上
当初目標(800)
出所:アシックス 2024年12月期 第3四半期決算資料・中期経営計画

2026年アシックスは、中期経営計画の当初目標(800億円)をはるかに超える1,300億円以上の営業利益を見込んでおり、企業としての体力は過去最強です。

内部要因ではなく「外部要因」に注意

アシックス株価推移 (実績)

期間: 2025年1月 – 2026年1月14日

4,000 3,500 3,000 25/1 3,557 4月(安値) 2,925 9月(高値) 4,161 26/1/14 4,097
実績解説:
2025年は春先に一時3,000円を割り込む調整局面(2,925円)がありましたが、その後は欧米市場での好決算を背景に急回復。9月には4,161円の高値を付け、2026年1月現在も4,000円台の高値圏を維持しています。

2026年1月現在、株価は4,000円台の高値圏を維持しています。 企業としては「過去最高益」「公式ウェア」とプラス要素が満載で、2022年のデサント(中国特需)と状況は似ています。

しかし、注意すべきは外部的要因です。

  • 時の政権による解散総選挙
  • 地政学的な安全保障問題
  • 日米の金利政策など

企業内容がどれだけ良くても、これらの外部要因がオリンピック期間中に市場全体を冷やせば、株価は連れ安するリスクがあります。

ゴールドウイン (8111) 特化したブランド

【検証】ゴールドウイン(8111) 過去3大会の株価推移
※開幕日を100とした場合のパフォーマンス比較
データ出典:Yahoo!ファイナンスより筆者作成
  • 2014年ソチ: 堅実に推移。安心して持てる銘柄として買われました。
  • 2018年平昌: 「THE NORTH FACE」が社会現象化。五輪特需だけでなく「構造的な成長」と評価され、期間中も買いが続きました。
  • 2022年北京: 業績は過去最高益でしたが、世界株安の中で「PERが高い」という理由だけで換金売りに押されました。

オリンピックは「あくまで後押し」

ゴールドウイン株価推移 (実績)

期間: 2025年1月 – 2026年1月14日
※2025年10月の株式分割(1:3)を考慮した調整後株価

3,500 3,000 2,500 2,000 25/1 2,875 3月(安値) 2,322 10/1 株式分割 11月(高値) 3,198 26/1/14 2,610
実績解説:
2025年は3月に2,322円の最安値をつけましたが、10月の株式分割(1:3)を経て、11月には上場来高値となる3,198円まで急騰。その後、年末にかけて調整が入りましたが、現在は2,610円付近で下げ止まり、五輪本番を待つ展開となっています。

2025年秋から冬にかけて、インバウンド需要と株式分割(1:3)を好感して株価は上昇トレンドにあります。

しかし、ゴールドウインにとって五輪は決定打ではありません。

投資家は「次の成長カード(海外展開や新素材)」を待っている状態です。 オリンピック期間中にその「カード」が切られれば2018年の再来になりますが、何もなければ外部環境に合わせて動くだけでしょう。

アルペン(3028)2回は下がり1回は上がる

【検証】アルペン(3028) 五輪前後の株価推移

開幕の2ヶ月前(12月)を100とした場合の比較

110 (高値) 100 (基準) 90 (安値) 12月 1月(ピーク) 2月(五輪開幕) 3月 2018平昌 五輪前に天井 2014ソチ
過去の傾向:
2014年、2018年ともに「1月に株価のピーク」をつけています。五輪が開幕する2月には「スキーシーズンの終わり」と「材料出尽くし」が意識され、株価は下落トレンドに入る傾向が顕著です。

アルペンには明確な「負けパターン」が存在します。

過去のデータを見ると、株価のピークは「1月」です。五輪が開幕する2月には「スキーシーズンの終わり」と「材料出尽くし」が意識され、下落トレンド入りする傾向があります。

これはアルペンが「ブランド」ではなく「小売店」であり、「2月にはもう高単価な板やウェアを買う客はいない」という実需の季節性が、オリンピックの熱狂よりも優先されるためです。

【検証】アルペン(3028) 2022北京五輪の株価

期間: 2022年1月 – 2022年3月

2,300 2,100 1,900 1月始値 2/4 開幕 2/20 閉幕 1月末 市場悪化で急落 開幕で急回復 2,216円(高値)
2022年の特徴:
1月は世界同時株安の影響で急落しましたが、五輪が開幕(2/4)すると同時に「イベント買い」が入り、一時2,200円台までV字回復しました。
しかし五輪終了後は勢いが続かず、再び下落トレンドに戻りました。

2022年だけは動きが違いました。 1月に世界株安で「売られすぎた」ため、2月の開幕と同時に「イベント買い」が入って一時急騰しました。しかし、五輪終了後はやはり下落トレンドに戻っています。

ミラノ五輪は「事前仕込み」より「時差トレード」

ここまで「関連銘柄」を紹介してきましたが、別の戦術がもう一つあります。

それは、「開催期間中のSNSトレンドを狙ったデイトレード(短期売買)」です。

理由は、2026年ミラノ大会特有の「時差」にあります。

  • ミラノとの時差: マイナス8時間
  • メイン競技の時間: 日本時間の深夜3時〜早朝

つまり、日本人が寝ている間に競技が行われ、朝起きるとニュースやSNSで「結果」や「話題のシーン」が出揃っている状態になります。

「時差」を味方につけるモーニング・ルーティン

株式市場が開くのは朝9時です。 つまり、「朝起きてから9時までの間」に、夜中にバズった商品を特定し、関連銘柄を成行注文するという時間の猶予があります。

過去の傾向だと、①選手が食べていた「お菓子」や「飲み物」②意外な企業の「ロゴ」③選手の「アクセサリー」などを上げることができます。

  • 【2018平昌】カーリング女子の「赤いサイロ」と「いちご」
  • 【2022北京】マスコット「ビンドゥンドゥン」
  • 【全大会共通】フィギュアスケートの「磁気ネックレス」

投資家の心得: 「オリンピック銘柄だから」と数ヶ月前から仕込んでおくと、本番で「材料出尽くし」の下げを食らうリスクがあります(アルペンの例)。

しかし、この「後出しジャンケン戦法」なら、事実を確認してから動くため、短期的な「お祭り相場」の初動に乗れる可能性があります。

「スマホを片手に、X(旧Twitter)のトレンドと板(気配値)を見比べる」。 これが、2026年ミラノ五輪の最も賢い戦い方かもしれません。

しかし、投資というよりも投機になるため、かなりの注意が必要です。あくまで大衆心理により一時的に株が上昇するだけで、本質的に企業のフローが改善しているわけではないためです。

結論

  • アシックス: 業績・話題性は最強だが、すでに株価は高値圏。「外部環境」の急変のみ警戒。
  • ゴールドウイン: 五輪はあくまでおまけ。「次の成長戦略」が見えるかがカギ。
  • アルペン: 季節性の「1月天井」に注意。五輪本番での飛び乗りはリスクが高い。

今回、紹介した銘柄以外にも「オリンピック関連」と言われる銘柄を調査しましたが、一つの冷徹な事実に行き着きました。 それは、「『オリンピック銘柄だから』という理由だけで、株価が動いている企業はほとんどない」ということです。

なぜなら、企業全体の売上規模に対して、オリンピックによる特需のインパクトがあまりにも小さいからです。

例えば、大手警備会社が五輪会場の警備を受注したとしても、それは年間売上のほんの一部ににしかなりません。テレビが数万台売れたとしても、世界的な家電メーカーの業績を変えるほどではありません。

株価を動かすのは「雰囲気」ではなく「数字」です。

  • 動く銘柄: アシックスのように、オリンピックを機にブランド価値が上がり、長期的な利益率が改善する企業
  • 動かない銘柄: 単に「連想ゲーム」で名前が挙がっただけの企業

「オリンピックだから何か上がるはず」という幻想を捨て、「オリンピックをテコにして、企業の『稼ぐ力』がどう変わるか」を見極めることが重要になります。

これこそが、2026年ミラノ五輪投資のそして株式投資の真髄と言えるでしょう。

📢 ミラノ五輪情報の「時差」に勝つ方法

記事内でも解説した通り、2026年ミラノ五輪の勝負所は「深夜・早朝」です。
しかし、朝9時の東証オープンを待っていては、すでに「材料出尽くし」で株価が動いた後かもしれません。

「ライバルより先に動きたい」
そんな時に必須なのが、PTS(私設取引)に対応した証券口座です。

松井証券なら、東証が開く40分前の「朝8時20分」から取引が可能です。
夜中のニュースを見て、皆が9時に注文を出す前に、先回りして売買できる環境を今のうちに整えておきましょう。

※夜間取引(〜23:59)や朝のプレ市場(08:20〜)に対応